柚子と僕の水曜日

官能作品

 

『柚子と僕の水曜日』

水曜日は柚子に会える日だ。
前日の夜はいつも、
ドキドキして眠れなくなる。

柚子には5人の好きな男がいる。
曜日ごとに、彼女は男達に会いに行く。

月曜日は34歳の創作フレンチ経営者
火曜日は21歳の青山系美容師
木曜日は24歳のロックミュージシャン
日曜日は29歳の外資系サラリーマン

そして、水曜日は僕。
26歳、不動産屋で働くサラリーマン。
彼女はその実状を全ての男に伝えている。
みんな、それでもいいからという気持ちで
彼女と寝ている。

柚子に恋をした最初の頃は、
本当に辛かった。

なぜ未来を約束してくれないのか。
なぜ他の男に抱かれた翌日に、
平気な顔して俺に抱かれるのか。
なぜ水曜日以外は会ってくれないのか。
なぜ同時に沢山の男を好きでいれるのか。

なぜ……
柚子は僕だけのものになってくれないのか。

何度か柚子の前で
泣いてしまったことがあった。
彼女はそんな僕を抱きしめて、
こう言った。

「泣かないで。大丈夫だよ。
私はあなたの事が大好き。
ほんとうに、ほんとうに大好きだよ」

その時僕は、悟った。
独占できる愛だけが、愛ではないと。

僕はたしかに柚子を愛しているし、
彼女もまた、僕を愛してる。
水曜日だけの恋人だけど。
夜しか会えないけど。
その日、その瞬間だけは
柚子の全てが僕のものだから。

水曜日の僕は、自分が持つ全てを
柚子に捧げる。

極限まで距離をゼロにして、
汗も匂いも体液も
どちらのものか分からなくなるくらい
ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせ、
有り余るほどの愛の言葉は
出し惜しみせず全部吐き出す。

好きだよ
大好きだよ。
死んでもいいくらい、
君のことが、大好き。
ずっと君だけを想うよ。
愛してる。
愛してる。
愛してる。

柚子は僕と繋がったまま、囁いた。

「いつか私、大好きな人に殺されちゃうかもね」

僕は彼女を強く抱きしめて、
すこし掠れた声で言った。

「その時は僕も死ぬよ」

fin.

 


Instagram本アカウントで掲載したら消されてしまったのでブログに載せておきます!!

続編は近いうちに公開予定です。柚子の恋愛スタイルについて深く掘り下げていく予定。また、謎めいた柚子の週末も明らかに。文章長いけど公開されたら是非見に来てね♪

 

 

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