私が私でいるために(※R15官能作品)

官能作品

 

『私が私でいるために』

 

「自分でしてごらん」
「……え、でも」
「きみが自分だけで気持ち良くなっていくところが、見たい」

それは、挑発でも誘導でもなく、ただ私を大きく包み込む、深い愛だった。


明日、私は30歳になる。

自己肯定感が極端に低かった私は、これまでの人生で、快楽に溺れていくことに抵抗があった。
何故だか分からない。解放されそうになると罪悪感や自己嫌悪が私を蝕み、重苦しいストッパーが音を立てて私をその場所に縛り付けた。

出会って間もない頃、彼は言った。

「きみはただ自分と向き合う勇気がないだけだ」


体温が上昇していき、毛穴からじわりと汗が滲み出てくる。
私は彼に向かい合い、脚を広げ跨った。
ついさっきまで散々弄られ焦らされ続けたその場所は
とっくに彼を欲していた。

下から射抜くような強い視線を感じる。
私はその視線を受けながら自分で敏感になった場所を触った。
指にぬるりと濡れた感触を感じ
それをそっと、円を描くようにして広げる。

クリトリスの突起部分を上下左右に細かく撫でる度、快感の沼に身体が飲まれていくようだった。
心臓がドクドクと加速し、体温がみるみる上昇していく。

 

ああ、これ以上はもう……

 

無意識に指が止まった。沼の底へ行くことを身体が拒もうとしていた。

彼はそっと私の手を握り、そのまま私の指先をまたその場所へ持っていった。

 

「あっ……ダメ」

「やめないで、大丈夫だから」

「……っ」

 

真っ直ぐ私を見つめる瞳に背中を押されるように、私はまた指先を動かし始めた。

 

彼に見られてる……

ああ、なんでこんなに興奮するんだろう

こんなこと、あり得ないって思ってたのに

 

それは、もうすぐそこまで迫っていた。

甘美な感覚がゆっくりと昇っていき、視界はだんだんとモヤがかった白い光に包まれていく。

細胞の全てが身体の中心部分に集結する。

突如、快楽の蕾は爆発するように一気に花開き

私は、甘く激しい、全てのエネルギーを吸い取るようなオーガズムの波に飲み込まれていった。

 

声にならない声を上げ、私は仰け反った。

ずっと無呼吸が続いていたようで、呼吸が荒い。

彼はゆっくり起き上がって、涙目になった私の目元を指で拭った。

 

「可愛い」

 

そう言って、私の唇に優しいキスをした。

「おいで」

 

耳元で囁かれ、新たな快楽がまた花開く。

私の中の羞恥心は驚くほど薄くなっていた。

ただもう、どうしようもない位彼が欲しかった。

私は、荒い呼吸のまま彼のものを自分の中に収めた。
ゆっくり、でも確実に奥まで招き入れると、彼で満たされた身体が悦びで悲鳴を上げた。

「あっ……あああ」

 

ため息と共に高い声が漏れる。

暫くの間、繋がって満たされる感覚に恍惚とした。
そして、自分が1番気持ち良い場所にこすれるように、ゆっくり腰を動かした。

彼はほんの少しうめき声を上げ、切ないような表情をした。
何だか泣き出しそうな、でもどこか満たされたようなその瞳は
表面が美しく揺れて、私だけを真っ直ぐ見つめていた。

決して逸らすことなく、溺れていく私を目に焼き付けるように。

 

ああ……私、こんなにも彼に愛されてる……

 

熱い涙が頬をつたう。

それを拭う事も忘れ、私は何度も自分の中に彼を呼び込む。

彼は私の欲望に自分の欲望を重ねるように、下から何度も突き上げた。

 

いつしか2人だけにしか分からない、官能的なリズムが生まれていた。

聞こえるのは互いの息遣いと粘膜がこすれ合う音だけ。

過去も未来も関係なく、今この瞬間、

この世界には私と彼の2人しか存在していない。

淫らでいいんだよ。
気持ち良くなっていいんだ。
恥じる事なんてない。
どんな君も好きだよ。
全てを受け入れるよ。

そんな彼の声が聞こえてくる。

 

私は、私でいてもいいのね……

 

彼の顔を見ながら私は漏れ出る声を我慢せず
何度も、何度も絶頂まで達した。

20代最後の夜。

私は初めて深い愛の存在を知り

ずっと目を背けてきた自分自身に、やっと向き合えた気がした。

 



 

「女性の性の解放」をテーマにした官能作品でした!!

初めて自慰行為をしっかり掘り下げてみました。何か書いてて緊張しちゃった(笑)

自分で自分の身体を知るとか快感を知るとか、それ以上に自分を認めるって意味でも大切な行為かなと思ってますが、好きな人に見られながらというのは結構ハードル高いですよね。でも、自分自身はもちろん、他人と常に距離を置き続けてきた主人公の女性にとっては、それを通して自分と相手両方と、同時に向き合うことができたんじゃないかなと思うわけです。

自分を解放していくって、本当に大切。自分にどうしても自信が持てない人や、周りの視線を気にし過ぎてしまう人は特に。まあこの物語に限っては相手ありきっぽいけど、別に恋愛絡めなくても「本当の自分」を外に出していくことはできると思うので、何か一歩踏み出すキッカケになったら嬉しいです。

 

ちなみに、今回イラストも見事にエロく仕上がりましたが、カップルは引き目にして、テイストもピンクベースでおしゃれな感じにしたので、Instagramでもイケるかな?と思いイラストのみ投稿しました!でも文章は完全にR15な気がしたのでブログ限定とさせて頂きました!!

 

ここまで読んで下さった皆様、いつも私の官能作品を応援してくれてありがとうございます!

このような系統の作品を書き続けることは、時に苦しみや葛藤も伴います(趣味ではなく、イラストレーターとしてお仕事しているからこそ)。なので、ファンの方の応援なくしては書き続けることはできません。いつも「春奈さんの官能好きです!」という言葉に励まされながら頑張れてます。本当にありがとう!!

 

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  1. あーちゃん

    いつかやってみたい体位です( ; ; )でも恥ずかしくて彼には言えません( ; ; )羨ましいな〜って思いながら、にやにやしながら、読んでました(´nωn`)

  2. すてら

    いやぁもうやばいですね笑笑
    私も愛されてるって自覚てきるセックスしたいです

  3. みかん

    息を飲むくらい素敵な小説でした…
    気持ち良くなるのに抵抗があるって言う気持ち、すごくわかります。だけど、男性ばかり気持ち良くなるのも嫌だなと矛盾してる自分がいます😂ああ…ほんとに感無量です😭

  4. なるる

    素敵な官能作品で胸がドキドキしてしまいました♡♡

    私も前までは、
    自慰なんて人様にみせるものじゃない!
    恥ずかしいじゃん!
    と思っていましたが、
    優しく受け入れてくれる男性に出会い
    考えが変わりました。
    1人で気持ちよくなってる私をみて
    相手もすごく興奮してくれて、
    それをみた私が更に興奮して淫らになって行き…
    結果とても最高なSEXが出来て幸せです。

    本当に初めて見せる時は顔から火が出るほど
    恥ずかしかったんですが(笑)
    その壁の向こうには素敵なSEXの続きがありました。

    オナニーしてるところみせて
    などさらっとエッチな事言って
    ドキドキさせてくるような男性、
    素敵ですよね!

  5. Uta.

    自慰行為=恥ずかしい事、のような固定概念が私の中にありました。
    でも若い頃から自慰で自分を開発していたほうがいいらしいと、30過ぎてから知りました。。その方が二人でする時にもオーガズムに達しやすいんだとか。
    もっと早くに知っていたかったよー(泣)
    自分の体を知っておくって大事だし、それを相手とも共有できたら素敵ですね!